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四国徳島、母親が絵描き、両親は地元で小さい画廊を営んでいた環境。両親が携わっていたアートという仕事、そのかたちをもう一度考えてみよう、そういう想いから始まりました。

母親が師事していた香川県観音寺出身の門脇俊一氏は現代の浮世絵師と評され、国内各地のみならずパリ国立美術学校での個展をはじめ海外でも活躍されました。しかし2006年に他界された後、その名声は過去のものとなろうとしています。このままでは、皇居の四季、四国八十八ヶ所霊場めぐり、空海行状起に代表されるような本物の作品が世の中から忘れ去られてしまう、なんとか再び世に出すサポートができればと考えています。

「芸術は世界共通の言語である」かつて門脇氏が自分におっしゃった言葉を今でも覚えています。言葉の壁を越えて誰が見てもそのままに理解でき、楽しむことができる、それがアートの本来あるべき姿ではないでしょうか。かつて浮世絵は庶民が主役となった自由な精神を表現する江戸文化の象徴でした。門脇氏の作品も同様に特定の限られた人に向けられたものではなく、多くの方々に見て、感じて、考えて、そして楽しんで頂ければと思っています。作品を通じて、人の心に喜びや生きる力を与えたい、日本人の国民力を向上させたいという氏の想いを伝えていければ幸いです。

江戸時代においては世界に類を見ない程、草花をこよなく愛する習慣が武士・庶民ともに根付いていました。門脇氏も草花を題材とする作品を多く残され, また弟子梶山邦子も草花を主題に製作活動を行っています。ここではそれらの作品を中心にご紹介させていただければと思います。

2014年8月 梶山文彦